2011年8月5日金曜日

松浦史料博物館☆ミ

皆さん、こんにちは。
今日は、先日より改修工事をしていた現場が完了しましたので、そちらをUPしたいと思います。
物件は【松浦史料博物館http://www.matsura.or.jp/】で平戸市にある建物の中でもとても歴史のある貴重な建物です。今回の工事は千歳閣の大屋根軒先の腐食した部分をやりかえるというものです。
それでは着工前です。建造は1893年、明治26年です。使用されている瓦は鎬桟瓦(しのぎざんがわら)普段何気に見ている瓦ですが、実は形状に結構種類があるんです。この鎬残瓦は瓦の山の部分が尖った形状をしています。平戸の古い建物では多く使われているのですが、最近は生産をしているメーカーが殆どありません。
まずは瓦を丁寧に撤去します。なぜ、丁寧か?それは再度使うからです。気を付けないと割れてしまいます。しかも、軒先部分は漆喰にて固めているので、尚更慎重に作業をします。





次に葺き土(瓦の下に敷かれた土)野地板(葺き土を敷き込むための下地板)広小舞(軒先に取り付ける木材)の木部を撤去します。
ここからは復旧の作業になります。まずは先程の広小舞と瓦座(読んで字の如く瓦が座るため納まりが良くなるため広小舞に打ち付ける木材)を取り付けます。
それから野地板を貼ります。
ここから余り見かけない施工だと思いますが、昔ながらの工法では野地板の上にトントン葺という 薄い杉板を敷き込んでから葺き土を載せるのですが今回は、ルーフィングを敷き込み、その上に葺き土を載せました。桟木は土を止めるためのものです。又、鎬残瓦は引っ掛け施工ができないので、葺き土が必須です。
瓦を葺き終えたら、本葺部(平瓦の上に丸瓦を載せる葺き方)の施工です。
平瓦部に土を載せます。そして、更にモルタルを載せて丸瓦を固定します。
はい、一応これで瓦葺きは終了です。どうですか?本葺き部は重厚さが出てると思いませんか?
そして、軒先部は漆喰で再度固めます。これは下塗りの状態で目荒らしを入れています。
これが、最後の仕上げの状況です。










完成です。昔ながらの瓦工事は大変手間がかかりますが、それだけに美しい仕上がりになります。特に鎬残瓦は尖っていてそれがツゥーっと通っている仕上がりは特に美しさを感じます。又、本葺きは寺院や神社で見かけることが多いと思いますが、建物に重厚感を与えてくれます。



中野ハウジングは住まいは勿論の事、歴史的建造物も多く手がけています。その建物にあった伝統的工法を守り、見事に復活させる技術も持ちあわせています。
我が家は築何十年も経っていて、リフォームしたいけどどうしようかと考えていらっしゃるならば、迷わず中野ハウジングへご相談ください。


最後に、工事とは関係がありませんが、松浦史料博物館さんでは、ユニフォームでポロシャツを着用しています。いなせな感じがして、なかなかかっこいいデザインだと思いませんか?もし、売りだされたら買いですね(^^ゞ